『修羅雪姫 外伝』【3rd/Comics】バージョンの《Comics Data》が完成しました。

Comics Data:from Otoshibumi:2020年5月13日

この『修羅雪姫 外伝』【3rd/Comics】の単行本が発売されたのは2009年1月28日でした。これ以前には、『修羅雪姫 外伝』【2nd/Comics】が発売されていて、長い間、『修羅雪姫 外伝』のComicsとしての役割を果たしていました。【2nd/Comics】が発売されたのが2007年10月15日でしたから、その間、15ヶ月になります。
 この15ヶ月の間、『修羅雪姫 外伝』の『時代劇漫画 刃』での掲載は、5回目にあたる10月20日発売の12月号だけです。実はこの後も『修羅雪姫 外伝』の掲載は計画されていたのだと思います。5回目の掲載の際も、キャンペーンを組んでものすごくプッシュしていましたし、『時代劇漫画 刃』での連載を願う気持ちも強く感じていました。そして、私もそう願うファンの一人でした。

 ところが、残念なことに、掲載誌である『時代劇漫画 刃』が2008年7月号で休刊してしまいます。当時、私は『時代劇漫画 刃』のファンにもなってしまっていましたので、ショックを受けたことを覚えています。

続きはこちら: Comics Data :修羅雪姫 外伝【3rd/Comics】

        【pdf File】 : 10インチ以上のTablet、PCを推奨

『くノ一異聞 天使は舞いおりた』第三話「奇蹟(ミラクル)」⑥、⑦、2話分を再掲載!そして、COMIC 魂が休刊!

COMIC 魂 3月号(はちどり/主婦の友社):2020年 2月13日

 あ~・・・(涙)、『COMIC 魂』が休刊になってしまいました。

 最終号は、2020年3月号、通巻30号です。『COMIC 魂』では、2017年10月20日に発売された Vol.1 から 2020年3月号 までの30冊に毎号、池上先生の作品を掲載していただきました。ファンとして感謝申し上げます。
 そして、『COMIC 魂 別冊』の『クライング・フリーマン』では、私どものサイト『池上遼一.database』を大きく紹介いただき、書籍デビューまでさせていただきました。本当にありがとうございました。(詳しくは、こちら

 その昔、『時代劇漫画 刃-Jin-』という雑誌がありました。発売当初は、小池一夫氏原作の劇画村塾メンバーを中心とした過去の作品を再度掲載するという雑誌でしたが、号を重ねるごとにPower Upし、新作と旧作の再録が上手にブレンドされた雑誌へ形を変えました。池上先生の新作『修羅雪姫外伝』も掲載されたこと、作品を大事にしている感じがあらゆるところに見られたことなどなど、私のお気に入りの雑誌になりました。しかし、出版不況の中、『時代劇漫画 刃-jin-』は2008年7月号で休刊しました。その出版社であった小池書院も2016年2月に営業停止状態になってしまいました。

 その当時の流れを継ぐスタッフが2017年10月に立ち上げたのが『COMIC 魂』でした。ですから、『COMIC 魂』の作りが『時代劇漫画 刃-jin-』に似ていたのだと私は思っています。

 『COMIC 魂』に掲載された多くの池上先生の作品は、『時代劇漫画 刃-jin-』に掲載された『修羅雪姫外伝』や大阪芸術大学が発行した雑誌『河南文芸』や『大学漫画』などに掲載された作品など、小池書院で描かれたものです。ここに、小学館で描かれた『刺青』を含む『近代日本文学名作選』の6作品と、『くの一異聞 天使は舞いおりた』などを加えた構成が、『COMIC 魂』の30冊に掲載された作品になります。
 もしかしたら、池上先生の時代劇作品をすべてご紹介いただけるのではと期待もしておりましたが、残念です。ただし、『COMIC 魂』に掲載していただいた池上作品は、良質なものばかり。池上先生の作品のすごさを再確認させていただきました。
 詳しくは、こちらを参考にしてください。

   カテゴリー:COMIC 魂 は池上ワールドがいっぱい

   旧サイト:池上遼一.database by Otoshibumi Craft Lab.

 小池書院から、はちどりへ。この間、匂坂さんには、大変お世話になりました。この場を借りて、感謝申し上げます。ありがとうございました。また、いつか、池上先生のことで機会がありましたら、お声がけください。よろしくお願いいたします。くれぐれもお体ご自愛ください。ありがとうございました。

 はちどりのスタッフの皆さんにも大変お世話になりました。ありがとうございました。

画集『池上遼一 Art Works 男編&女編』刊行記念トークイベントの内容が公開されました。

蔦屋書店:2020年1月

画集『池上遼一 Art Works 男編&女編』刊行記念トークイベントに参加できなかった方、吉報です。トークイベントの内容が、公開されました。 是非、アクセスして読んでください。

https://store.tsite.jp/ginza/blog/humanities/11888-1226541225.html

pdfファイルのアップ再開!『池上遼一.database』、本格始動です。

from Otoshibumi:2019年10月12日

 昨年12月から、新しい環境での開発をスタートさせましたが、コンテンツ開発の方法がなかなか理解できず、開発がより停滞する方向にあります。

 その一つ問題が、pdfファイルのアップロードです。今後のコンテンツ開発はできるだけ時間を短縮しつつ、内容を充実させたいと考えています。そのためにコンテンツは、pdfファイルにてアップしていきたいと考えています。もうすでに『作品リスト』などは、pdfファイルによる作成に完全移行しているのですが、アップできずにいます。また、『作品紹介』や『Comics紹介』など『池上遼一.database』の中核となるコンテンツも開発途中で止まってしまっているのです。

 そんな中、昨日、今の開発環境でpdfファイルをアップロードする方法がわかりました。これを受け、pdfファイルのアップを再開します。まずは、中途半端になっている引っ越し作業がメインになります。

 大変お待たせしました。『池上遼一.database』、本格始動です。

ありがとうございます。30万アクセス!

from Otoshibumi:2019年8月30日

 本当にありがとうございます。30万アクセス、達成しました。
 20年という長い歳月で、30万アクセスというのは、多いのか?少ないのか?わかりませんが、20年という歳月の中で、延べ30万人の方が訪れていただけたわけですから、とても、とても感謝です。

 これから、池上遼一.database は、大きく変わります。ちょっとだけ、期待してください。

 また、次のステージへ。池上先生と池上遼一.database への応援をよろしくお願いいたします。

小池一夫 劇画セレクション 2 池上遼一編

COMIC 魂 別冊(はちどり/主婦の友社):2019年 6月22日

 今年4月に亡くなった小池一夫氏の作品を紹介するようなシリーズの第2巻として、池上先生の作品がまとめられました。

掲載作品は、
    オファード  WAVE 波の章 聖母・志摩子(2)
    オファード  WAVE 波の章 聖母・志摩子(3)
    オファード  WAVE 波の章 聖母・志摩子(4)  
    クライング・フリーマン 第5話 比翼連理
    殺愛 1話 鬼婆より愛をこめて
    殺愛 2話 鬼イちゃん

『つげ義春 池上遼一 ガロ 1968 前衛マンガの試行と軌跡』、すごい本です!

単行本(双葉社):2018年12月19日


























 

 緑と赤の学習用暗記シートに用いられるプラスチックで作られた本書の表紙は不思議な効果を生んでいる。その赤と緑は不規則なまだら模様で、赤色のエリアは、池上先生の『夏』での1ページと『禁漁区』での1ページがあらわれ、緑色のエリアはつげ義春氏の『ねじ式』の主人公が機関車に乗る姿が見える。もちろんカバーをずらせば、見える絵も変わるのだ。

 帯には、「つげ義春と池上遼一の“密やかな共闘”」とうたっています。つげ義春氏と池上先生はある時期、一緒に過ごしてました。それは、1966年池上先生が上京し、水木しげる氏のアシスタントとして働き始めたときから、水木しげる氏のもとを離れ、独立するまでの間です。(正確には、つげ義春氏が旅立ってしまうまで。)それが、1966年、1967年、1968年です。
 本書は両氏が『ガロ』という雑誌に発表した短編を上手に編集したものです。解説で、その当時のことを長々と(超うれしい企画です。)語っている高野慎三氏の編集によるものだと思います。
 高野慎三氏は、この当時、『ガロ』という雑誌で編集を担当していた方です。そして、水木先生のアシスタントとして働くために上京した池上先生を水木先生宅へ連れて行った方でもあります。この当時、水木プロでのつげ義春氏や池上先生と親交を深められていました。その高野氏が長々と語っていただけたなのですから、その解説は強力なのです。
 収録された作品は『ガロ』(青林堂)という月刊誌に1967年1968年に掲載されたものです。
 池上遼一.databaseとして語らせていただくと、1967年、1968年に『ガロ』に掲載された作品は、本書のもので全てではありません。収録されていないつげ義春氏の作品は『紅い花』をはじめとして、『長八の宿』、『二岐渓谷』、『オンドル小屋』、『ほんやら洞のべんさん』です。池上先生の未収録作品は、1967年12月号の『三面鏡の戯れ』、1968年2月号の『風太郎 ジャンジャン横町の風が泣いている』です。もちろん、他誌に発表された作品も収録されていません。そして、本書に選ばれた作品達は高野氏によって選ばれたものだと思われます。

 本書のすごいところは、つげ義春氏の作品と池上先生の作品を混ぜて一冊の本にしてしまおうという発想です。しかも、二人の作家のみ。なのに、私は、違和感を感じることなくすーっと読み終えてしまいました。きっと編集に何かトリックがあるのではないかと私は思っています。
 読み終えて思ったのは、つげ義春氏の作品はすごいということです。きっと、私は近々、つげ義春作品を全て読んでしまうに違いありません。『山椒魚』や『ねじ式』は以前にも読みましたが、今でも強力な印象が残る作品です。さらに、本書に収められた作品を読んだだけでも、扱われている題材も様々だし、そしてその視点も様々で、本当に楽しませてくれるのです。

 こんな中、池上先生の作品はちょっとと思われた方がいらっしゃるかも。池上先生の作品が、つげ義春氏の作品に飲み込まれているかもと思われた方も。
 ここで、データベースとして語らせていただこう。はっきり言って、この企画は池上先生にとって酷!です。
 そもそも、つげ義春氏は、池上先生が尊敬する師なのです。池上先生が水木プロダクションに来たとき、水木しげる氏に会えたことより、つげ義春氏に会えたことに感動しているのですから。
 ちなみに、つげ義春氏は1954年から作家活動をスタートされていて、多くの作品を描かれているのです。その作品は、当時すでに高い評価が得られていたのです。一方、池上先生はデビューしたて。『罪の意識』が『ガロ』に初めて掲載されたのは1966年の9月号です。この作品は、新人の入選作品となり、この作品を機に上京し、水木しげるプロダクションでのアシスタント生活が始まりました。本書に収録された『夏』は『ガロ』での2作目、『罪の意識』から数えて4作目です。『地球儀』は6作目、『風太郎 片目男の独白』でも掲載16本目なのです。レベルが違うのです。“共闘”、それはどうなの?と感じてしまったしだいです。
 さらに、いわせていただくと、『山椒魚』、『李さん一家』、『ねじ式』といえば、つげ義春氏の代表作ではないか?!という具合ですよ。

 “密やかな共闘“をうたった高野氏。でも、そこには、意図があるんだろうなと感じています。“密やかな共闘“とはどんな共闘だったんだろう?って想像すると楽しいですよね。
 一方、本書を読んでいただいた読者の中で、もし、池上先生の作品はすごいぞと思っていただけたのなら、それは池上先生への一番の褒め言葉となるはずではないでしょうか。

 私は、本書を手にして、読んで、うれしかったです。久しぶりに得した気分でした。つげ義春氏と高野慎三氏、池上先生の世界観がものすごく伝わったこと。池上先生は当時、楽しかったんだろうなと感じられたこと。つげ義春氏の作品はすごい、ちゃんと知るべきだと感じられたこと。つげ義春という師に近づきたい池上先生の頑張り。そして、いろいろ当時のことを想像することができたこと。
 この本によって、ものすごくモチベーションを上げていただいたことに感謝です。出版社の方々、こういう本をたくさん送り出してください。お願いします。