From Otoshibumi:2019年8月9日、10日
今回の旅のメインである『極 池上遼一展』、しっかりと見てきました。
そもそも、池上先生の作品の原画を目にすることは、とても難しいのです。池上先生が、展示会をすることを望まないからだと思います。こんな中で、池上先生の故郷で、展示会が開催されるのは、すごいことなんです。
そして、今回の展示会で展示された池上先生の作品は、107点です。私が今までに観た最大規模でした。
そしてこの展示会は、「故郷で、最後の展示館となる」との情報まで上がってきました。そんなことはないのではと思いつつも、この機を逃すことは後に悔いが残るわけです。また、どこかで池上先生の展示会はあると願いつつも、行かずにはいられない状況になり、こちら、武生公会堂記念館までやってきました。
選ばれた作品は、各時代ごとにその時代の代表作で構成されていました。
スタートは、ガロでのデビュー作の『罪の意識』からです。ガロに掲載された作品は『罪の意識』を含む8作品が展示されていました。すごいと思ったのは、『白い液体』、『夏』、『おえんの恋』です。本当に1960年代の画なのかと疑いたくなります。
1970年代の作品では、『I・餓男』日本編の原画を見られるとは思いませんでした。短編から『安達ヶ原黒塚の鬼女』を選んでいただけたのは、涙もの。さらに、扉となったカラーの画も用意されていました。
『男組』もいいです。『男組』や『I・餓男』は、それだけで名場面がいっぱいありますから、いっぱいいっぱい並べた原画をお腹いっぱいになるぐらい堪能させていただけないものかと願うことになりました。
1980年代からは、『男大空』、『クライングフリーマン』『信長』が選ばれていました。『信長』の二色カラーは、ものすごい完成度で、驚きました。
すごすぎるのは、『お勢登場』『藤十郎の恋』でしょう。本当に、1996年に描かれたものなのでしょうか?20年以上前の作品なんですよ。
そして、私のお気に入り、4ページで構成された『人魚』。思った以上にきれいでした。『サンクチュアリ』の最終話は涙が浮かんできました。
さらに、『HEAT-灼熱-』、『覇-LORD-』、最新作の 『BEGIN』 や 『アダムとイブ』 まで、たくさん感動できます。
作品は、黒い壁紙の上に貼られ、その上からアクリル板でコーティングされていて、とても見やすく、趣のある感じが好印象でした。照明の当て方もよかったからでしょうか。ファンとしては、池上先生の作品を大事にしていただいていて、好印象です。
こういった原画を見てしまうと、いろいろなことを考えてしまいます。池上先生の画はできるだけ大きな用紙で、できるだけ質のいい紙で、できるだけ原画に近い形で本にしていただけないものかと、思ってしまいました。普段目にしている単行本の紙の質がよくないからでしょうか?ものすごいギャップを感じました。
こんなにも、たくさんの原画を目にできるのは、今までありません。この展示会、9月1日日曜日まで開かれています。是非、訪ねてください。併せて、カフェ・ド 伊万里にも脚を運んでいただければ、さらに、たくさんの池上作品に出会うことができます。
武生公会堂記念館「極 池上遼一展」開催中! https://www.city.echizen.lg.jp/office/090/030/koukaidou/ikegamiryoichi.html
この展示会では、池上先生の作品を堪能させていただいただけではなく、たくさんの情報収集もさせていただきました。
スタッフの方々には、大変、お世話になりました。ありがとうございました。
2019年8月15日記